DRESS / 着る
前垂れで開き、背で結ぶ
セーラーパンツ
前を開ける仕事と、腰に合わせる仕事を分けたパンツ。
NICENESSness 編集 ·
前には金属ボタン、後ろには調整する紐。Royal Museums Greenwichの1836年頃の白い綿ツイルの海軍ズボンは、ホレイショ・ジェームズが着用したと記録される。前後に異なる操作がある服だ。
前垂れを、開いて着る。
この所蔵品は前垂れ開き、いわゆるfall-frontの構造を持つ。前を一本のファスナーで開けるパンツとは、開く部分の姿が違う。ボタンがどの面を留めるのかを見ると、着脱の仕方を想像できる。
腰の調整は、後ろで。
同じ一着の背部には紐の調整がある。前を開けることと、腰まわりを合わせることが別の場所に置かれている。パンツの前だけを見る時には隠れてしまう、使い方の分担だ。
縞の一着にも、結び紐。
同館には19世紀初頭の船員服の例とされる手縫いの縞ズボンもあり、前の三つのボタンと後ろの結び紐が記録される。こちらは作者や来歴が不明。それでも、開閉と調整の細部を見比べることはできる。
前を開け、後ろで合わせる。服の周りを一周してみると、別々の位置に置かれた操作が見えてくる。
そして、いまの服へ。
船員のパンツに、南アジアの構造を。
NICENESSのVARLEYは、欧州のサイド開きセーラーパンツと南アジアのクルタパンツを組み合わせる。カディのチェック生地と、イージーウエストを採用したパンツだ。
紹介した前垂れ開きは、VARLEYが挙げるサイド開きと同一とはしていない。所蔵品を直接の原型とする証拠もない。
NICENESS / SS26VARLEY →このアイテムのつくりを見る出典・参考資料
暮らしと服の歴史
- Royal Naval uniform: pattern 1836 / UNI0227 ↗Royal Museums Greenwich
- Pair of handmade trousers made of blue and white striped ticken / ZBA8736 ↗Royal Museums Greenwich
NICENESSのものづくり
- NICENESS VARLEY ↗NICENESS
回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。