DRESS / 着る

腰にゆとりを置いて裾を絞る
スラックス

一本のパンツにも、つくる場所と売る場所がある。

NICENESSness 編集 ·

パンツの内側のラベルを読むと、表の輪郭だけでは分からない移動が見えてくる。約1990年の一本には、フランス、イタリア、ニューヨークが重なる。

01

文化圏と、製造地を分けて読む。

MetのJean Paul Gaultierのウール製トラウザーは、文化圏をFrenchとしながら、ラベルのイタリア製表記も記録する。デザインの文脈と縫製地は同じ項目ではない。

02

売られた場所も、服に残る。

同じ所蔵記録にはニューヨークの店のラベルも転記されている。一本のパンツが、製作の場所とは別の街で選ばれ、着られる。その手がかりが内側にある。

03

国名だけで、腰の形は決まらない。

この所蔵品だけで、1990年代のフランスのスラックス全体の形を決めることはできない。腰や裾の輪郭は、個々の服ごとに確かめたい。

国名を一つ貼るより、どこで考え、つくり、手に取られたかを追うほうが、服の旅は豊かになる。

そして、いまの服へ。

腰のゆとりに、起毛したウールを。

S.AYLERは1990年代フレンチスラックスと英国の仕立てを参照し、腰から裾へ緩やかに細くなる形。Super140sの低密度ツイルチェックに起毛を施し、軽さと柔らかさを追求している。

Gaultierの所蔵品を直接参照したとは確認されていない。英国仕立てのどの工程を採用したかも未特定。

NICENESS / SS26S.AYLER →このアイテムのつくりを見る

出典・参考資料

暮らしと服の歴史

NICENESSのものづくり

回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。

次は、どんな暮らしへ。