DRESS / 着る

折返しを省き吊りボタンを残す
ユーティリティ・トラウザー

戦時の衣服制限が、腰と裾のつくりに現れる。

NICENESSness 編集 ·

裾の折返しがなく、腰には吊りバンド用のボタンが並ぶ。London Museumに残る1944年のズボンには、戦時の衣服制限に結び付く細部がある。簡素に見える形にも、その時代の条件が刻まれている。

01

戦争末期に店で買われた一着。

黒い梳毛のズボンは、ユーティリティ・スーツの一部として残る。博物館によると、SouthwarkのM Hyamから大戦末に購入されたものだ。制度の話を、店で選ばれた一着へ引き寄せて見られる。

02

使う布と、残す部品。

同館はポケット数やベルト、裾の折返しを使わない仕様を、戦時の衣服制限と関連付けて説明する。装飾の好みだけで形が決まるのではなく、つくるときの制約も外見に現れている。

03

腰に並ぶ六つのボタン。

腰には吊りバンド用のボタンが六個記録されている。ベルトがないことは、腰を支える仕組みまでないことではない。身に着けたときにどこで重さを受けるのかから見ると、小さな部品の役割が分かる。

裾で省かれたものと、腰に残るもの。細部を比べると、時代の制限と着るための工夫が同じ一着に見えてくる。

そして、いまの服へ。

腰の調整を、紐へ置き換える。

NICENESSのCAVALIERSは、1930〜40年代英国スラックスの参照をもとに、ダーツや腰タックを更新したパンツ。腰のドローコードで、ベルトなしでも着用できる設計にしている。

1944年の所蔵ズボンがCAVALIERSの直接の原型とは確認できていない。ドローコードを戦時仕様の継承とする説明でもない。

NICENESS / AW24CAVALIERS →このアイテムのつくりを見る

出典・参考資料

暮らしと服の歴史

NICENESSのものづくり

回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。

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