DRESS / 着る

補強の金具を布で隠す
デニムトラウザー

丈夫にした服が、座る場所を傷つけないように。

NICENESSness 編集 ·

ポケットを丈夫にする金具が、鞍の革を傷つける。1934年に米国で出願された衣服の特許には、そんな困りごとが書かれている。服を強くするだけでは、仕事の道具として十分ではなかった。

01

力がかかる角を、金具で支える。

ポケットの角や、パンツの股。1935年に成立したこの特許は、負荷の大きい場所に銅のリベットを打って補強する方法を説明している。

縫い目の端に見える小さな金具は、布を支えるものだった。その役割を知ると、ポケットの周りを見る目が変わってくる。

02

服は、椅子や鞍にも触れる。

特許が挙げるのは、牧畜に携わる人の鞍だけではない。農業や屋外の仕事をする人が使う自動車や、家の家具も、突き出たリベットで傷つくことがある。

そこで提案されたのが、補強の金具を布で覆うつくり。強度を担う部品を残しながら、外側へ出さない。服と、その人が座る場所を一緒に考えた工夫だ。

03

見えなくなっても、補強は残る。

Levi Straussは自社の歴史として、1937年に501の後ろポケットのリベットを隠したと紹介している。補強を保ち、鞍や家具を傷つけないためだったという。

1935年の特許に書かれた提案と、1937年の製品変更の説明。この二つを同じ出来事にまとめずに見ると、当時の作業着が向き合っていた問題が具体的になる。

表から金具が消えても、そこに何もないとは限らない。触れるものを傷つけず、服の強さを保つ。その両方を考えた跡が、布の下にある。

そして、いまの服へ。

長い作業着を、丸みのあるショーツへ。

NICENESSのB.STUは、1930年代米国のデニムトラウザーを参照したバレルショーツ。12.5ozの米綿デニムを使い、立体的な丸みを持つ形へ組み替えている。

NICENESSが参照したメーカーや原品は特定されていない。B.STUがこの特許や501を直接参考にした、あるいは隠しリベットを採用したという説明ではない。

NICENESS / SS25B.STU →このアイテムのつくりを見るNICENESS / AW24STU →このアイテムのつくりを見る

出典・参考資料

暮らしと服の歴史

メーカーが伝える来歴・つくり

NICENESSのものづくり

回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。

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