DRESS / 着る
肩の色が切り替わる
ドンキージャケット
炭鉱に由来する一着から、働く上着の名前をたどる。
NICENESSness 編集 ·
黒いフェルトの上着に、蛍光色の肩がある。Science Museum Groupのドンキージャケットは、Agecroft炭鉱に由来する一着として記録される。肩の切り替えから、働く服の背景へ近づいてみる。
肩だけ、違う表情を持つ。
記録が示すのは、黒いフェルトと蛍光色の肩部分。肩の素材や機能までは明記されていない。目立つ色だからといって、その目的を補わずに、異なる部分を持つ上着として見ることができる。
名前の話は、運河へ続く。
Cannock Chaseの自治体解説は、1888年にGeorge Keyが運河建設の労働者向けに丈夫な上着を開発し、ドンキーエンジンから名前を得たと紹介する。炭鉱の所蔵品とは別に、運河の仕事に結び付く来歴の説明がある。
使う場所と、服の年代。
炭鉱に由来する一着でも、その製造年や実際の着用者までは分かっていない。来歴説の1888年をこの服の年代へ移すこともできない。記録のある場所から、分かる範囲で衣服の道のりをたどりたい。
名前の来歴と、一着の来歴。二つを分けて読むと、仕事の服が異なる現場に現れる様子を見られる。
そして、いまの服へ。
ドンキージャケットを、密なメルトンで。
NICENESSのGREGORYは1960〜80年代英国のドンキージャケットを参照。高密度メルトンとイタリア製メリノムートンの襟を組み合わせ、日本の革職人が縫製している。
炭鉱の所蔵品は年代不詳で、GREGORYの参照年代の代表例とはしていない。名称の来歴も自治体解説に帰属する説として扱う。
NICENESS / AW26GREGORY →このアイテムのつくりを見る出典・参考資料
暮らしと服の歴史
- Donkey jacket from Agecroft Colliery / Y2002.19.235.2 ↗Science Museum Group
- Working Life Around Market Square / George Key and the donkey jacket ↗Cannock Chase District Council
NICENESSのものづくり
- NICENESS GREGORY ↗NICENESS
回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。