MAKE / つくる
科学の図を模様に移す
レースシャツ
結晶を見る仕事と、壁紙や織物にする仕事の間。
NICENESSness 編集 ·
結晶を調べる図が、部屋の壁を飾る模様になる。1951年のInsulin 8.25という壁紙には、結晶学者ホジキン、図案家セヴァント、製造会社John Lineが別々に記録されている。科学の図が、複数の手を経て生活の面へ移る。
発見する人と、図案にする人。
一人の作者名だけでは、この壁紙の仕事は表しきれない。結晶学者と図案家、そして製造会社。役割を分けて見ると、研究の図を使える模様へ変える過程に、異なる仕事があることが分かる。
映画館の入口に、模様がある。
この壁紙は科学展の映画館入口に使われたと記録される。研究対象を説明するだけでなく、人が通る場所の表面へ図案を置く。科学と暮らしが接する具体的な場所が残っている。
雲母の図は、黄色い毛織物へ。
同じ1951年には、雲母のX線結晶図案を基にしたDobroydの黄色い毛織物見本がHuddersfieldでつくられた。Festival of Britain向けの見本群の一つで、科学の図を織物へ移す別の例になる。
図を描く人、布をつくる人。その間をたどると、模様の背景にある仕事が立体的に見えてくる。
そして、いまの服へ。
アトミックの柄を、カットレースで。
NICENESSのGILLANは、アトミックパターンを繊細なカットレースで表したシャツ。フランスとイタリアのドレスシャツの要素、製品へのオーバーダイを組み合わせている。
結晶図案は同時代の比較例で、GILLANの原図や星・人工衛星の図柄と同一ではない。科学的な発見と現代商品の制作経路を直接つないでいない。
NICENESS / SS23GILLAN →このアイテムのつくりを見る出典・参考資料
暮らしと服の歴史
- Festival Pattern Group Wallpaper, 1951 / 1976-644/51 ↗Science Museum Group
- Festival Pattern Group Fabric, 1951 / 1976-644/37 ↗Science Museum Group
NICENESSのものづくり
- NICENESS GILLAN(アーカイブブック)NICENESS
回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。