DRESS / 着る

受話器と配線を組み込む
飛行帽

頭を覆う装備に、聞くための道具も収める。

NICENESSness 編集 ·

飛行帽を、頭を覆うだけのものとして見ないでみる。受話器や配線、酸素マスクを留める部品。飛ぶ人の頭の周りには、複数の道具を一緒に収める必要があった。

01

配線が、帽子の内側へ入る。

英国空軍博物館は、革製のType Cが1941年にType Bを置き換え始めたと説明している。さらに1944年導入のwired型では、配線が内蔵された。

同館の所蔵例は、内蔵配線を取り除き、外部配線へ変更されたものだという。型の説明と、手元に残った一つの装備の姿は、必ずしも一致しない。使われる中で変わった細部もある。

02

外殻の内側にも、装備がある。

スミソニアン国立航空宇宙博物館が紹介するH-4は、1950年代半ばに米海軍・海兵隊の飛行士へ支給された防護飛行帽。英国の革製Type Cとは、別の装備として見ておきたい。

同館のH-4はガラス繊維の外殻にナイロンの内帽を備え、受話器、マイク、酸素マスク用の留め具も持つ。頭を保護する外側と、道具を収める内側が重なっている。

03

耳の周りを、機能から見る。

同じ飛行帽という名でも、素材や通信装備の組み込み方は一つではない。革の帽子に配線を収める例と、外殻と内帽を重ねた例では、構成も違う。

耳の周りが覆われた姿だけから、防寒のためと決めつけることはできない。そこに何が収まり、何とつながるのかを見ることが、装備の形を読む手がかりになる。

帽子の輪郭の内側に、聞く道具や呼吸の装備との接点がある。飛行帽は、頭の周りに必要なものをどう置くかという設計でもあった。

そして、いまの服へ。

飛行帽の参照を、冬の耳当てへ。

NICENESSのM.STRICKは、1940〜50年代の飛行帽と1980年代のイヤーマフ帽を組み合わせた帽子。混紡ウールツイードに、メリノのライニングムートンを使った耳当てを合わせている。

NICENESSが参考にした飛行帽の型式や国は特定されていない。Type CやH-4が直接の原型であることや、通信・保護性能を受け継ぐことは示されていない。

NICENESS / AW26M.STRICK →このアイテムのつくりを見るNICENESS / AW26STRICK →このアイテムのつくりを見る

出典・参考資料

暮らしと服の歴史

NICENESSのものづくり

回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。

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