MAKE / つくる

二股のボディを舞台に掲げる
フライングV

楽器の輪郭が、人の記憶を経て服の線になる。

NICENESSness 編集 ·

大きく二股に分かれたボディは、演奏する人の姿と一緒に記憶に残る。Gibsonが1958年に登場させたFlying Vは、音だけでなく、輪郭も人を惹きつけたギターだった。

01

ツアーで手にした一本。

Gibsonは、Dave Daviesが1965年の米国ツアーで1958年製のFlying Vを入手し、テレビで演奏したと紹介している。製造年と、その一本を弾き始めた年は違う。楽器はつくられた後も、持ち主とともに時間を重ねる。

02

写真の中の形に憧れる。

Kirk Hammettは10代の頃、UFOの『Force It』裏面にあるMichael SchenkerのFlying Vの写真に憧れたと回想する。舞台で使う道具が、写真を通して別の人の選択に関わる。その人自身が語った記憶として読める話だ。

03

ステージの記録と、一台の来歴。

Hendrixの公式サイトとGibsonは、1970年のワイト島公演でのFlying V使用を記している。同じ名前の楽器でも、製造年や個体の来歴は別々だ。V字の形から、特定の一本までをすぐに同一視することはできない。

音楽の記憶は、音だけでできているわけではない。手にした道具の形も、写真や舞台を通じて受け渡されていく。

そして、いまの服へ。

ギターのV字を、後ろ裾へ。

NICENESSのD.SCHENKERは、1960〜70年代のFlying Vをモチーフに、後ろ裾へV字の切り込みを取り入れている。楽器の輪郭を、歩く人の足元の線へ移した服だ。

商品名から特定の演奏者や所有ギターを命名の由来と確定しない。確認できるのは、公式が説明する楽器の形から裾への置き換えだ。

NICENESS / AW25D.SCHENKER →このアイテムのつくりを見る

出典・参考資料

暮らしと服の歴史

メーカーが伝える来歴・つくり

NICENESSのものづくり

回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。

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