DRESS / 着る
掴み合うために厚くする
柔道衣
相手に触れ、握る動作から、上衣のつくりを見る。
NICENESSness 編集 ·
相手が握れる服であること。それが柔道衣のつくりに関わっている。全日本柔道連盟の解説は、掴み合うため上衣を厚くすることと、握れる寸法などの規定を説明する。衣服が動作の相手にもなる。
上衣と下穿き、それを結ぶ帯。
柔道衣は上衣、下穿き、帯から成ると説明される。服を一枚の上着だけで見るのではなく、組み合わせとして捉えると、身体を包む部分と結ぶ部分を分けて見られる。
自分だけでなく、相手も触れる。
上衣を厚くし、握れる寸法を定めるという説明には、相手の手が入っている。自分が着やすいだけでは完結しない服。掴み合う競技の動作が、生地と形を考える条件になっている。
理念の言葉を、その人の文章から。
講道館が再掲する嘉納治五郎の1925年の文章は、自他共栄を互いに協調して自分と他者を共に利する原則として説く。衣服の規定とは別の資料だが、柔道を語る理念を著者の言葉からたどれる。
握られる布として上衣を見ると、人と人の動きが服の形に近づいてくる。道具としての衣服の、もう一つの姿だ。
そして、いまの服へ。
柔道家の足元に、別の一足を。
NICENESSのJ.ATHENAは、柔道の哲学になぞらえて「道」を表すリンガーTシャツ。1980年代スポーツTシャツの形を参照し、図柄の柔道家に自社のブーツを履かせている。
図柄はNICENESSの創作で、歴史上の柔道家の靴や競技規則を示すものではない。嘉納の1925年の文章を直接引用したとも確認していない。
NICENESS / SS25J.ATHENA →このアイテムのつくりを見る出典・参考資料
暮らしと服の歴史
NICENESSのものづくり
- NICENESS J.ATHENA ↗NICENESS
回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。