MAKE / つくる

写真に手で色を重ねる
プリントシャツ

旅の土産になった横浜写真から、着る布の色へ。

NICENESSness 編集 ·

旅で見た風景を、持ち帰る。横浜写真と呼ばれる手彩色の写真は、外国人旅行者の土産として発展した。鶏卵紙に写された日本の風景や風俗へ色を重ね、写真はアルバムの中で、旅の外へ運ばれていく。

01

一冊の中に、五十の景色。

横浜美術館の蒔絵アルバムには、1880年代頃の手彩色鶏卵紙写真が50葉収められている。編んだ人も撮った人も分かっていない。豪華な外装だけでなく、写真を選び、一冊にまとめて持ち運べる形にする仕事も、土産物の姿をつくっていた。

02

花売りも、風景も、写真になる。

東京都写真美術館は、日下部金兵衛の「花売り」を1882〜97年頃の手彩色写真として紹介している。開港資料館のアルバム案内にも、人物や職業、乗物、農村など多くの主題が並ぶ。人の営みは、旅先を伝える写真の題材でもあった。

03

写真の名前の外にも、人がいる。

「花売り」という題があっても、写る人の実際の職業や、撮影の演出までは題だけでは分からない。横浜写真という呼び名も、すべてが横浜で撮られたことを意味しない。写真がつくられ売られる場所と、そこに写る場所は、別々にたどることができる。

写真の上に重なる色には、写す仕事とは別の手がある。その重なりを、今度は身に着ける布の上で見てみる。

そして、いまの服へ。

手で色を入れる仕事を、シャツに。

NICENESSのEDは横浜写真に着想し、夏祭りを表す柄を制作。着色する部分には、職人がエアブラシを使って施すステンシルプリントを用いている。古い写真の彩色と現在のプリントは、異なる技法で色を重ねている。

EDが参照した写真家や作品は未特定。歴史上の写真に付けた色も、現在の図柄も、被写体の実際の色を正確に復元したものとは扱っていない。

NICENESS / SS26ED →このアイテムのつくりを見る

出典・参考資料

暮らしと服の歴史

NICENESSのものづくり

回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。

次は、どんな暮らしへ。