MAKE / つくる
甘撚りの糸で裏を柔らかくする
ジャージーパンツ
編み地の手触りを、糸を撚る段階まで戻って考える。
NICENESSness 編集 ·
同じ編み地でも、触れた時の柔らかさはどこから来るのだろう。1973年のUSDA報告は、緯編みに使う紡績糸の多くが低撚りで、柔らかな手触りを生むと説明している。布になる前の糸にも理由がある。
糸を、どれくらい撚るか。
報告が述べる低撚りは、糸をつくる段階の話。表に見える編み目だけでなく、その材料となる糸のつくりも手触りに関わる。柔らかい布を一つの素材名だけで説明しきれないことが分かる。
違う編み方には、違う糸の条件。
同報告は、一部の経編みでは高い張力に応えるため強撚糸が必要と説明する。いつでも弱く撚ればよいわけではない。何を、どう編むかによって、糸に求める条件も変わってくる。
量産される糸が、用途を広げる。
報告には、1963年頃の加工ポリエステル糸の量産によって、丸編みのダブルニットジャージーへ用途が広がったという記述もある。編地の歴史には、素材をどれだけつくれるようになったかという変化もある。
編み目を見て、糸まで考える。手触りの背景は、目に見える表面より少し手前から始まっている。
そして、いまの服へ。
表と裏に、違う触れ心地を。
NICENESSのBERLINは、1970年代のジャージー組織を再現できる工場で製作したというパンツ。甘撚りのスビン綿とポリエステルで、表のドライ感と裏の柔らかさを意図している。
USDA報告は一般的な技術背景。BERLINの工場所在地や編み組織を西欧・ダブルニットと断定する根拠にはしていない。
NICENESS / AW25BERLIN →このアイテムのつくりを見る出典・参考資料
暮らしと服の歴史
- Knits in Western Europe: Their Impact on Cotton, FAS M-252 ↗Bernice M. Hornbeck / USDA Foreign Agricultural Service
NICENESSのものづくり
- NICENESS BERLIN ↗NICENESS
回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。