DRESS / 着る
キルトの裏地で暖かさをうたう
カーコート
車の名前を持つ上着が、学校や観戦の日にも売られていた。
NICENESSness 編集 ·
カーコートという名前でも、出かける先は車の中だけではない。1960年9月のMedford Mail Tribuneに載ったRoth’sの広告は、この上着を学校やフットボール観戦向けに紹介している。
売り場が思い描いた、一日の行き先。
広告が並べる学校と観戦は、上着を買う人へ提案した場面だ。実際の購入者がどう使ったかとは別だが、当時の売り場がどんな暮らしへ服を結び付けたかが分かる。
暖かさは、裏側にもつくる。
同じ広告は暖かなキルト裏地を挙げる。外側のコートの形だけでなく、内側の仕立ても売りどころになっていた。秋の上着を見た時、表から隠れた層に目を向ける入口になる。
フードのあるもの、縁取りのあるもの。
広告では多くの品にフード、または柔らかなOrlonの縁取りがあるとされる。一つの呼び名の中にも品揃えがある。全品が同じ仕様だったとまとめず、売られていた選択肢として見たい。
名前から用途を一つに絞らず、その服がどんな日へ提案されていたのかを見る。広告にも、装いの背景が残っている。
そして、いまの服へ。
カーコートに、ライダースの型を。
NICENESSのDEVOTEは、1960年代米国のカーコートに1970〜80年代英国ライダースの型を組み合わせる。タンニン鞣しのカーフとウールチェックの裏地を採用している。
Roth’sの広告の商品がDEVOTEの原型とは未確認。広告のキルト裏地やフードを、そのまま現代商品の仕様へ移していない。
NICENESS / AW26DEVOTE →このアイテムのつくりを見る出典・参考資料
暮らしと服の歴史
- Medford Mail Tribune, 21 September 1960, p.6C ↗Medford Mail Tribune / University of Oregon
NICENESSのものづくり
- NICENESS DEVOTE ↗NICENESS
回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。