DRESS / 着る

冷える艦内で重ねる
ウールの潜水艦服

海の下の寒さと、暖房を使い続けられない暮らし。

NICENESSness 編集 ·

海の中にいれば、風を避けられる。それでも、暖かいとは限らない。米海軍の潜水艦哨戒報告をまとめた資料には、寒冷海域の艦内の低温と湿気、蓄電池を節約するために暖房の使用が限られる状況が残されている。

01

暖房にも、使える時間がある。

寒さをどうしのぐかは、衣服だけの話ではない。艦内の環境と電力の使い方が、着るものにも関わってくる。この報告が扱う寒冷海域では、暖房を十分に使えない条件の下で、身体のそばに重ねるものが問題になっていた。

02

メルトンの上衣とズボン。

報告には、一部の艦がメルトンの上衣とズボンからなる「潜水艦服」を保有したとある。まずは上下の組み合わせとして見ると、上着だけでは分からない装備の姿が浮かぶ。ただし、すべての艦が同じ服を持っていたわけではない。

03

甲板に出る時は、また別。

STERLETの航海記録では、陸軍型の毛織の上衣とズボンが支給され、甲板に出ていない時は厚手のセーターやジャケットが不要になったという。ここで語られるのは艦内での着方。外に出る当直の防寒まで、同じ服で足りたとは読めない。

同じ船の中でも、場所が変われば必要な重ね着が変わる。防寒着の輪郭は、そこで過ごす時間と一緒に見えてくる。

そして、いまの服へ。

潜水艦服の参照に、革の表情を重ねる。

NICENESSのH.TWEEDYは、1930〜50年代の米海軍潜水艦乗組員の衣服を参照したもの。羊毛の生地に、襟や袖裏のトスカーナ産スエードを組み合わせる。海軍の衣服への参照と、現在の素材の選択が重なる。

報告中のメルトン服がH.TWEEDYの直接の原型とは未確認。寒冷海域の一部の記録を、全潜水艦の共通装備には広げていない。

NICENESS / AW25H.TWEEDY →このアイテムのつくりを見る

出典・参考資料

暮らしと服の歴史

NICENESSのものづくり

回想は本人の経験として、制作意図はブランドの説明として扱っています。

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